読書のかけら

個人的な読書備忘録。あらすじ(Bookデーターより)と少し感想を書いてます。

「流」東山彰良著

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。1975年、台北。偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。なぜ?誰が? 無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡。満票決着「20年に一度の傑作!」(北方謙三氏)。第153回直木賞受賞作。

 【感想】

本文中にこんな場面がある。

【私が青島の街並みを眺めながら感じていたのは、よく書けている青春小説を読んだときのような懐かしさだった。縁もゆかりもない他人の物語に自分の少年時代を投影し、はじめてとおる通街に個人的なもう苦い思い出を見つけ、風の中にキラキラ光っているはずの夢や情熱に目を細めながら、私は自分に魔法かけていた。そう、私の人生はこの大地に根ざしているのだと言うの魔法を。】

 

まさにこの小説は異国が舞台なのに読者を感情移入しさせノスタルジーを感じさせる作品。そして後半の展開は… 

流