読書のかけら

個人的な読書備忘録。あらすじ(Bookデーターより)と少し感想を書いてます。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「海と毒薬」遠藤周作著

生きたままの人間を解剖する――戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍捕虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。彼に人間としての良心はなかったのか? 神を持たない日本人にとっての<罪の意識><倫理>とはなにかを根…

「サラバ!」上下巻 西加奈子著

一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。 ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。 絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。 第152回直木賞受賞作 【感想】…

「八日目の蝉」角田光代著

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中…

「流」東山彰良著

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。1975年、台北。偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。なぜ?誰が? 無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。台湾…